ロケットイングリッシュスクールでは、保護者の方から「子どもが授業で全部は理解できていないみたいです」という声をいただくことがあります。最初は不安に思えるかもしれませんが、実はこれは子どもが自信を持って英語を使えるようになるために、とても大切なステップなのです。
脳はどのように言語を学ぶのか
言葉を聞くとき、脳は常に「次にどんな音や意味が来るか」を予測しています。そして予想と違うものが聞こえたとき、「あれ?違うぞ」という信号が脳に送られます。この小さな“ズレ”が、新しい知識を強化し、記憶を定着させる大切なきっかけになるのです。
つまり「少しわからない」という瞬間こそ、脳が一番活発に働いて成長しているサインなのです。

なぜ英語 immersion(イマージョン)方式なのか
研究によると、母語で説明を受けながら学ぶ方法よりも、英語だけでやりとりをするイマージョン環境の方が、子どもたちはリスニングやスピーキング力を強く身につけやすいことがわかっています。
授業で英語を常に聞くことで、子どもたちは声のトーン、表情、身振り、文脈などを手がかりに意味を理解する習慣を身につけます。これは将来、海外旅行や留学、国際的な仕事の場で必要となる「実際のコミュニケーション力」につながります。
もちろん、私たちは生徒を混乱のまま放置するわけではありません。視覚的なサポート、ジェスチャー、授業ルーティン、見本の提示などを組み合わせて、しっかり理解できるように工夫しています。ただし、すべてを日本語で解説してしまうと、自分の力で英語を使う成長のチャンスを奪ってしまうのです。
「安全な混乱」の価値
私たちの授業では、あえて子どもが全部を理解できないような状況を作り出すことがあります。これを私たちは「安全な混乱」と呼んでいます。
なぜそんなことをするのでしょうか?
- 脳に新しい情報を処理させ、学習効果を高めるため
- 文脈から意味を推測する力を育てるため
- 「わからなくても大丈夫」と思える自信と粘り強さを養うため
もし子どもたちが授業中に一度も混乱しないなら、それは授業が簡単すぎるということ。実際の成長は、ちょうど「少し難しい」と感じるところで生まれます。
保護者の皆さまへのメッセージ
もしお子さまが帰宅後に「今日は全部わからなかった」と言ったとしても、ご安心ください。それは失敗ではなく、むしろ成長のサインです。その瞬間こそ、脳が一番活発に働き、新しい英語力を身につけているのです。
ロケットイングリッシュスクールの目標は、単語やフレーズを暗記させることではありません。私たちが育てたいのは、自信を持って、自分の力で英語を使いこなせる子どもたちです。
本当の自信は「全部理解できる」ことからではなく、「全部はわからなくても大丈夫、やってみよう」と思える力から生まれます。