くり返しが効く理由:お子さまの脳の中にある「ジャングル」

a silhouette of a child's head.

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数年前、末っ子の息子がピアノの新しい曲を練習していて、とてもフラストレーションを感じていたことがありました。

彼はまだ5歳で、ピアノの先生から翌週のレッスンまでにその曲を練習してくるように言われていました。何度も何度も挑戦しましたが、指はどうしても思うように動いてくれません。リズムはバラバラで、ミスばかり重なり、とうとうイライラが限界に達してしまいました。

彼はピアノを両手でバンと叩き、泣き叫び始めました。

親として、それを見ているのはつらいものでした。

そのとき、私はずっと以前に脳科学について読んで学んだことをふと思い出しました。「とにかく練習を続けなさい」と言う代わりに、私はあることを説明しました。それは5歳の子どもにも理解できるくらいシンプルな考え方でしたが、彼はすぐに落ち着きを取り戻し、笑顔になり、新たな気持ちで練習に戻っていきました。

これから皆さんにお伝えするのも、同じ考え方です。

親御さんであれば、きっと似たような経験をされたことがあるのではないでしょうか。お子さまが何週間もボールのキャッチボールを練習しているのに、簡単そうなボールをまだ落としてしまう。昨日は英単語を完璧に読めたのに、今日は同じ単語を見てもぽかんとしている。学校の休みに入る前にようやく九九を覚えたのに、数週間後にはすっかり忘れてしまっている、といったことです。

こうした瞬間は、親にとってもどかしいものです。本当に集中していたのだろうか、もっと頑張る必要があるのではないか、あるいはこれまでの練習が無駄になってしまったのではないか、と私たちはつい考えてしまいます。

八尾校・香芝校で子どもたちを教えて20年近くになりますが、私はこのパターンを数えきれないほど目にしてきました。それでも、私が心配することはありません。その理由を知っているからです。

その理由は、安心できると同時に、とても興味深いものです。

それは才能でも、魔法の解決策でも、ネット上の特別な講座でもありません。脳科学なのです。

脳がどのように学習するのかを理解することは、親にとって非常に価値のあることです。お子さまの脳の中で何が起きているのかを理解すれば、学習はぐっと分かりやすいものになります。そして何より、ミスや、くり返しや、忘れてしまうことさえも、まったく違う視点で見られるようになりますーあの日の午後、息子がそうだったように。

私が息子に伝えたことは、とてもシンプルなものでした。

「自分の脳を、大きなジャングルだと想像してごらん」

私たちがまったく新しいスキルを学ぶとき、その目的地までつながる道はまだ存在していません。練習をするたびに、私たちはジャングルを少しずつ切り開いているのです。やがて、その小さな道は歩道になり、車道になり、最終的には脳がほとんど苦労なく通れる高速道路になっていきます。

だからこそ、練習は効果があるのです。「練習は完璧を作る」からではなく、「練習は道をつくる」からです。


まとめ:ジャングルのルール

お忙しい方のために、要点だけまとめました。

続きでは、なぜミスが大切なのか、なぜ子どもは忘れてしまうのか、そしてゲームや睡眠がどのように学習に関わっているのかを詳しくご紹介します。



お子さまの脳は、いつも道をつくり続けている

人間の脳には、ニューロンと呼ばれる神経細胞が約860億個あります。この小さな細胞たちは、電気信号と化学信号を送り合うことで互いに情報をやり取りしています。お子さまがこれまでに身につけてきたすべての思考、記憶、動作、スキルは、これらのニューロンが協力して働くことによって成り立っています。

お子さまが新しいことを学ぶときー英語の文章を読むときでも、ボールをキャッチするときでも、自転車に乗るときでも、算数の問題を解くときでもー特定のニューロンのグループが活性化します。同じニューロン同士が働く回数が増えるほど、そのやり取りはより上手になっていきます。

脳科学者たちは、この考え方をシンプルな言葉で表現します。「一緒に発火するニューロンは、一緒に結びつく」というものです。

とはいえ、この意味を理解するのに脳科学の知識は必要ありません。お子さまの脳を、大きな熱帯ジャングルだと想像してみてください。

a boy in front of dense jungle vegetation

ジャングルを歩く、はじめての旅

誰かに広大なジャングルのど真ん中に降ろされた自分を想像してみてください。道もなく、歩道もなく、標識も地図もありません。あなたの仕事は、反対側までたどり着くことです。

最初は、一歩一歩がとても大変です。厚いつるが行く手を阻み、茂みが足を引っかき、倒れた木を乗り越えなければなりません。何分も歩いた末に行き止まりだと気づき、引き返さなければならないこともあるでしょう。それでも、大変な苦労の末に、ようやく反対側にたどり着きます。

まったく新しいことを学ぶのも、これとまったく同じ感覚です。子どもが初めて英語の文章を読むとき、割り算を習うとき、空手を始めるとき、初めてピアノの前に座るとき、その脳はまだこの道を通ったことがありません。まだしっかりとした道はできていないのです。

だからこそ、新しい学びには時間がかかります。だからこそ、子どもはためらいます。だからこそ、フラストレーションを感じます。そして、だからこそミスをするのです。

子どもたちは失敗しているのではありません。ただ、初めての道をジャングルの中に切り開いているだけなのです。

練習のたびに、道は切り開かれる

翌日、まったく同じジャングルにもう一度戻ってきたところを想像してみてください。何かが変わっています。昨日切り開いたつるは、まだ完全には元に戻っていません。だいたいどこを通ったか覚えていますし、前日にだまされた行き止まりも一つ二つ避けられます。

翌日もまた戻ります。そのまた翌日も。何度も繰り返すたびに、さらに枝が払われていきます。地面は平らになり、道はどんどん見えやすくなっていきます。

お子さまが同じ単語を読むたびに、同じタイプの算数の問題を解くたびに、同じピアノの曲を練習するたびに、新しい英語のフレーズを使うたびに、同じニューロンのネットワークが活性化し – その道は少しずつ強く、速く、通りやすくなっていきます。

だからこそ、くり返しは教育において最も強力な手段の一つなのです。これは、ロケットイングリッシュスクールで私たちが行っているほぼすべてのことの土台になっています。私たちは、子どもたちが一度聞いただけですべてを永遠に覚えられるとは考えていません。大切な語彙や文法パターン、読解力、会話のトピックを、何週間も、何ヶ月もかけて丁寧に何度も取り上げています。それぞれのレッスンは、ゼロからのスタートではありません。同じジャングルの道を、もう一度歩いているのです。

a boy riding his bike through the jungle

ミスこそ、学習が進んでいる何よりの証

教育において最もよくある誤解の一つが、「ミスは避けるべきもの」という考え方です。実際には、ミスこそが学習が進んでいる何よりも明確な証拠であることが多いのです。

地図のないジャングルを探検している場面を想像してみてください。いつも正しいルートを選べるでしょうか? もちろん、そんなことはありません。茂みに迷い込んだり、不要な岩を乗り越えたり、行き止まりに進んだりするでしょう。しかし、どの間違った曲がり角も、何かを教えてくれますーどこに進んではいけないかを。やがて、正しいルートがはっきりと見えてきます。

脳の学習も同じ仕組みです。ミスをするたびに、お子さまの脳にはより多くの情報が与えられます。間違った答えの一つひとつが、正しい道を強くし、あまり役に立たない道を少しずつ弱めていく助けになっているのです

これが、子どもがためらったりミスをしたりした瞬間に、私たちがすぐに答えを教えない理由の一つです。少し考える時間を与えると、子どもは自分自身で正しい道を見つけることがよくあります。そして、探し、気づき、自分で修正するというこのプロセスこそが、私たちが育てたい神経経路そのものを強くしてくれる、非常に価値のあるものなのです。

研究によれば、たとえ難しく感じられても、記憶の中から情報を取り出そうとすること自体が、ただ答えを教えられるよりもはるかに学習を強化することが一貫して示されています。これは「検索練習(retrieval practice)」と呼ばれ、私たちが知る中でも最も効果的な学習方法の一つです。

boy in car on jungle road

ジャングルの小道から高速道路へ

同じジャングルの道をより多くの人が通るようになると、驚くべきことが起こります。細い小道は歩道になり、砂利道になり、舗装された道路になり、やがて4車線の高速道路になっていきます。移動はスムーズに、速く、そして安定したものになります。

私たちの脳もまったく同じように働きます。最初は、お子さまは一つひとつの小さなステップについて慎重に考えなければなりません。一語一語を読むには大きな集中力が必要ですし、英語を話すには単語を一つずつ探さなければなりません。ピアノを弾くには、指の一つひとつの動きを意識的に考える必要があります。しかし十分に練習を重ねると、その同じ道は驚くほど効率的になり、かつては完全な集中を必要としていた作業が、ほとんど苦もなく感じられるようになっていきます。

しかし、物語はここで終わりません。

高速道路から新幹線へ

この記事は子どもの脳についてお話ししていますが、実はまったく同じ仕組みが、大人であるあなたの脳にも当てはまります。

初めて車の運転を習ったときのことを思い出してみてください。最初は、ミラー、ウィンカー、ブレーキ、スピード、前の車、信号-すべてを同時に考えながら、教官と会話までしなければならず、まるで手も目も脳も足りないような感覚だったのではないでしょうか。

今はどうでしょうか? おそらく、そうしたことはほとんど何も意識していないはずです。同乗者とおしゃべりをしながら、ラジオを聴きながら、意識することなく、ちょうど良いタイミングでスムーズにブレーキを踏むことができます。

そのスキルは、自動化されたのです。科学者たちはこれを「自動性(automaticity)」と呼びます。神経経路が非常に強く、効率的になり、ほとんど意識せずにそのタスクを行えるようになる状態のことです。

ジャングルの話に戻ると、高速道路が今では日本が誇る新幹線にアップグレードされたと想像してみてください。情報はほとんど瞬時に、その道を駆け抜けていきます。流暢な英語話者が一文一文を頭の中で訳さずに話せるのはこのためです。経験豊富なピアニストが指の動きをいちいち意識せずに弾けるのもこのためです。読むことに慣れた子どもが、一文字ずつ音を確かめなくても単語をひと目で認識できるのもこのためです。

何年もの練習が、荒れたジャングルの小道を、驚くほど速い交通システムへと変えてきたのです。私たちの学校の子どもが流暢に読み、考えずにスペルを書き、ためらうことなく話すとき、実際に起きているのはこれなのですーそれは才能のひらめきではなく、新幹線のスピードで走れるほどしっかりと築かれた道なのです。

なぜ子どもは忘れてしまうのか?

練習がこれほど素晴らしい高速道路を作ってくれるのなら、なぜ子どもはときどきあっという間に物事を忘れてしまうように見えるのでしょうか?

お子さまが今日のレッスンで、本を見事に読めたとします。ところが一週間後には、完璧に知っていたはずの単語につまずいてしまう。これまでの学びはすべて消えてしまったのでしょうか?ありがたいことに、答えは「いいえ」です。

森の中に何週間もかけて美しい道を切り開き、その後その道を使わなくなった場面を想像してみてください。日が経ち、週が経ちます。ジャングルはそのまま止まっているわけではありません。少しずつ、道の上に草が生え、小さな茂みが現れ、つるがまた這い戻ってきます。道が消えてしまったわけではありません。ただ、少しずつ生い茂ってきているだけなのです。

あるスキルを使わなくなると、その神経経路は消え去るわけではなく、脳が普段よく使う経路に注意を向けるにつれて、少しずつ弱くなっていきます。これはまったく正常なことであり、むしろ脳が非常に効率的である理由の一つです。すべてのつながりを同じ強さで維持するのではなく、脳は私たちが最もよく使うものを中心に、常に自らを再編成しているのです。

復習がもたらす、うれしい真実

幸いなことに、初めて道をつくることと、すでにある道をもう一度開くことには、大きな違いがあります。数ヶ月後に、あのジャングルに戻ってきた場面を想像してみてください。いくつかの植物は生い茂ってしまっていますが、まったくゼロからのスタートではありません。道がどこに続いているか、だいたい覚えているはずです。少し茂みを取り除くだけで、すぐにまた歩きやすい道に戻ります。

復習もまったく同じ仕組みです。お子さまがお気に入りの英語の本を読み返すとき、先月の単語を練習するとき、以前弾いていたピアノの曲をもう一度弾くとき、それはゼロからのやり直しではありません。すでにある道を、もう一度開いているのです。だからこそ、復習は新しいことを学ぶよりも簡単に感じられるのです。

これが、私たちがご家庭に、毎日5分から10分でも、一緒に読書をしたり、単語を復習したり、私たちの英語動画を見たりする時間を持つことをおすすめしている理由の一つです。週末にまとめて長時間勉強するよりも、少しずつ、こまめに続けるほうがはるかに効果的です。

なぜゲームはこれほど効果的な先生になるのか

私たちのレッスンでどれほど多くのゲームを取り入れているかを知って、驚かれる親御さんも少なくありません。外から見ると、子どもたちがただ楽しんでいるだけのように見えるかもしれません。しかし実際には、ゲームは子どもたちに、作業をくり返しているという感覚を持たせることなく、同じ神経経路を何度も何度も通らせてくれているのです。

同じジャングルの道を50回歩くように子どもに頼んだら、すぐに退屈してしまうでしょう。しかし、その道に宝物を隠したり、チャレンジを加えたり、友だちと競争させたりすれば、子どもたちは喜んで同じルートを何度も通ってくれます。道が強くなっていくことに変わりはありませんが、違いはモチベーションが高いまま保たれることです。

これが、私たちが生徒のために新しい教育ゲームを開発し続けている理由です。それらは単に子どもを楽しませるためだけのものではありません。くり返しの検索(思い出す練習)、意思決定、そして大切な言語の使用を積み重ねるために、丁寧に設計された機会なのです。子どもたちは遊んでいるつもりでも、その脳は静かに高速道路を築いています。

眠っている間も、脳は働き続けている

学習の中で最も意外な部分は、子どもがまったく勉強をしていないときーつまり眠っている間に起こっています。睡眠は記憶を強化し、その日の学びを整理する上で重要な役割を果たすことが、研究によってわかっています。子どもが眠っている間、脳はその日の出来事を振り返り、大切な神経経路を強化し、どの記憶を残すべきかを選び出しています。

つまり、脳は宿題が終わった後も道づくりを続けているのです。これが、十分な睡眠がもう一枚のプリント学習と同じくらい大切である理由の一つです。そして、睡眠不足が続く子どもが、集中したり新しいことを覚えたり、効果的に学んだりするのを難しく感じてしまう理由でもあります。

ロケットイングリッシュスクールでは、ご家庭のみなさまに、学びは一日を通して起こるものだと考えていただくようお伝えしています。一緒に読書をすること、言語ゲームで遊ぶこと、会話をすること、十分に体を動かすこと、そして睡眠を大切にすることーそのすべてが、より強い神経経路を築くことにつながっています。

親御さんに知っていただきたいこと

脳がどのように学ぶのかを理解すると、お子さまの成長の見え方が変わってきます。ミスをするたびに心配するのではなく、まだジャングルを探検している最中なのだと受け止められるようになります。何かを忘れてしまったときも、フラストレーションを感じる代わりに、すでにある道に少し草が生えただけなのだと思い出すことができます。すぐに結果を期待するのではなく、同じ道を歩む小さな一歩一歩を喜べるようになります。

もっとも大切な学びの一つは、こういうことです。子どもをジャングルの中で急がせる必要はありません。子どもに必要なのは、その道を歩き続ける機会です。時には間違った方向に進むこともあるでしょう。時には立ち止まり、一息つく必要があるかもしれません。ときにはジャングルが少し生い茂ってしまうこともあるでしょう。それでも、戻ってくることを続けていれば、その道は必ず歩きやすくなっていきます。

これはまた、子ども同士を比べることが必ずしも本当の姿を映しているわけではない理由でもあります。ある子どもが一度で単語を完璧に読めたとしたら、それはすでによく発達した道を持っていたからかもしれません。別の子どもが苦戦し、ためらい、何度か挑戦してようやく正解にたどり着いたとしたら、その子はまったく新しい道をたった今築き上げたばかりなのかもしれません。外から見れば、前者のほうが「よくできた」ように見えるでしょう。しかし脳の中では、後者のほうがはるかに多くの働きをしている場合があります。一見苦戦しているように見える子どもたちこそ、実は将来のための最も強固な土台を、静かに築いているのかもしれません。

子どもたちが自信を持って英語を話せるようになるのは、プリントを一番多くこなしたからでも、文法をもう一度説明してもらったからでも、答えを教えてもらったからでもありません。意味のある形で英語をくり返し使うからこそ、上達していくのです。だからこそ、私たちのカリキュラムには馴染みのある語彙が何度も登場します。だからこそ、読書がレッスンの中心的な役割を担っています。だからこそ、単調なドリルの代わりにゲームを取り入れています。そして、だからこそ、ご家庭でも毎日少しの時間、英語で読んだり、話したり、遊んだりしていただくようお願いしているのです。

私たちが行っていることはすべて、たった一つのシンプルな目標のために設計されています。それは、お子さまがより強い神経経路を築く手助けをすることです。

ジャングルのルール

この記事から何か一つだけ覚えておくとしたら、次の5つのシンプルな考え方を覚えておいてください。

🌴 お子さまがミスをしたとき… それは失敗ではありません。ジャングルを探検しているのです。どの間違った曲がり角も、正しい道がどこにあるかを脳に教えてくれています。

🌴 お子さまが練習しているとき… 道を切り開いているところです。くり返すたびに、その道は少しずつ歩きやすくなります。

🌴 お子さまが忘れてしまったとき… ジャングルが少し生い茂ってしまっただけです。道が消えたわけではありません。ただ、もう一度歩く必要があるだけです。

🌴 お子さまが復習しているとき… すでにある道を、もう一度開いているのです。だからこそ復習は、ゼロから始めるよりもずっと簡単に感じられます。

🌴 お子さまが流暢になったとき… 一本の高速道路が完成したのです。脳はその道を、素早く、正確に、そしてほとんど自動的に進めるようになります。

最後に

学びは、多くの場合目に見えません。子どもの背が伸びれば、私たちはすぐに気づきます。自転車に乗れるようになれば、みんなで喜びます。しかし、何百万もの小さな神経のつながりが少しずつ強くなっていっても、見た目には何も変わりませんーだからこそ、学びは日々の中でときに気力をくじくもののように感じられてしまうのです。本当の魔法が明らかになるのは、何ヶ月も、あるいは何年も経ってから、ふり返ったときに、道がずっと築かれ続けていたのだと気づく瞬間です。私たちにはただ、それが見えていなかっただけなのです。

お子さまと一緒に、深いジャングルを歩いている場面を想像してみてください。最初は、一歩一歩がとても大変です。つるは分厚く絡まっています。お子さまは、時には引き返したくなるかもしれません。親として、私たちはつい抱き上げて連れて行ってあげたくなります。しかし、もしそうしてしまったら、子どもは自分自身でその道を歩む方法を、決して学ぶことができません。

私たちの役割は、子どもをジャングルの中で運んであげることでも、行く手のすべての障害を先に取り除いてあげることでも、代わりに道をつくってあげることでもありません。私たちの役割は、そばに寄り添って歩くことです。疲れているときに励まし、間違った道も旅の一部なのだと伝え、子どもが切り開いたひとつひとつの道のりを一緒に喜び、そして十分な時間と練習があれば、今日の細い小道がいつか明日の高速道路になると信じることです。

なぜなら、子どもが読むページの一つひとつ、解く算数の問題の一つひとつ、練習するピアノの一曲一曲、挑戦する英会話の一つひとつ、直すミスの一つひとつがーすべて、ナタをもう一振りしてジャングルを切り開いていることだからです。

そしてある日、ほとんど気づかないうちに、子どもたちはジャングルの中で苦労することをやめ、自分自身で築き上げた道を、迷いなく進んでいくようになります。そしてその道は、英語を学ぶためだけのものではありません。何を学ぶときにも役立つ道になるのです。

あの日ピアノの前で泣き叫んでいた小さな男の子は、今ではもう大きくなりました。彼は今も新しいスキルを学び続けていますし、今でもよくフラストレーションを感じます。しかし今は、何かが難しく感じられても、「僕には向いていない」とは言いません。彼はにっこり笑って、こう言うのです。「パパ……今、道を切り開いているところなんだ」。そして彼はまた、ナタを手に取り、前へと進み続けます。

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